随に

まにまに

AIH

最後のエントリーから1カ月が経ちました、的なメールも来なくなり、再度手をつけるのも躊躇われるほど月日が経ってしまった。

 

最後に何を書いたのかもうっすらとしか記憶がないのだけれど、結果からいうとそこから大して進捗はない。

 

卵管造影をすると卵管の通りがよくなり、(もしも詰まっていたのならば)その後ある期間は受精しやすくなるというゴールデンタイムらしい。

ひと通りの検査が終わると「人工授精をするか、相談して来てください」と言われたが、当初の予定通り、躊躇わず開始することにした。

 

人工授精(AIH)とは、採精した精液を分離機にかけて濃縮し、運動率を上げて受精させやすくして人工的に子宮へ注入するという方法だ。

特に痛みを伴うわけでもない。

 

濃縮した精液を使用するが、成功率は10%前後程度(排卵誘発剤の使用可否や年齢にもよる)。

5〜6周期(日本産婦人科医会によれば3〜4周期)行なっても妊娠に至らない場合は、次のステップへ、というのが定石のようだ。

 

寡聞にしてAIHで妊娠したという例を聞いたことがないので、これに期待をかけてはいけないという思いと、病院に通って治療を行なっているのだからもしや、という気持ちが拮抗した。

3周期+タイミング1周期を経て、未だ受精せず、だ。

 

AIHを行なった後は、受精しやすくするhCGという注射を概ね3回は打ちに行き、感染症を防ぐ薬を2日分と、受精卵の着床を促す薬を10日間服用する。

注射を打ちに行くのは手間だが、体外受精に比べたらなんて事はないと思う。

大した努力もしていないのだから、そう簡単に授からないのだろうかという思いも頭をよぎったりする。

 

生理が来るたびに自覚のないまま情緒不安定の波に襲われて泣いていたが、徐々にそれもさざ波となっていった。少なからず落ち込みはするし、検査にこれといった異常もないのになぜ?こんなにも定期的に生理が来て、妊娠の準備は万端なはずなのになぜ?という思いに囚われる。

有名人が妊娠した出産しただのを目にするとまたなぜ?と思う。

その点、「隣の家族は青く見える」という不妊治療をテーマにしたドラマは安易に治療が成功してハッピーエンド、とならずにかなり胸を撫で下ろしたのを覚えている。

 

病院に通い始めた当初は「不妊治療をしている特別な自分」にドキドキしていたが、今は歯科に通うのとそんなに差異がないくらい淡々と通院している。

加えて、夫との子どもをいつかわが家に迎えたら、という妄想も薄れてきている。

まじめに治療に取り組んでも必ず結果が出るとは限らないため、治療以外の生活も大事にすることが必要だとどこかで読んだ。

 

そんなわけで、放置していた庭のブルーベリーに思いっきり絡まった雑草のツタを「うちの子に何しやがる!」と言いながら切ったり抜いたりしている。